よくあるご質問

Q.
花粉症は治らないのでしょうか?
A.
花粉症を完全に治す、決定的な方法はありません。舌下免疫療法などが根治できる可能性のある治療方法ですが、全ての花粉症患者さんに行えるものではなく、また2年以上治療を要するにもかかわらず、全ての人に効果があるわけではありません。残念ながら、短期間で、簡単に、全ての人に効果がある根本的な治療法は無いのが実情です。根本的に治らなくても、花粉を吸い込まないようにマスクをしたり、自分にあったお薬や点鼻薬で快適に花粉症シーズンを過ごすことが可能です。どの薬が効くか、どの治療法が良いかは、患者さんそれぞれに相性もありますので、我慢することなく耳鼻科で相談してみましょう。
Q.
花粉症って診察だけではわからないのですか?
A.
結論からいえば、診察だけでは確実な診断はできません。問診と診察で、アレルギー性鼻炎かどうかは見当がつきますが、花粉症などアレルギー性鼻炎の原因をはっきりとさせるためには、検査が必要になります。
Q.
花粉症の時期は、ずっと薬を飲まなくてはならないのですか?
A.
花粉症はスギ、ヒノキなどの「春の花粉症」、カモガヤなどイネ科植物の「初夏の花粉症」、ブタクサなどのキク科植物による「秋の花粉症」があります。この中でもスギ、ヒノキは症状も強く、何十Kmも遠くまで飛びますので春は継続して内服した方がよいでしょう。それに対してイネ科、キク科植物の花粉は遠くまで飛びませんので、近くにそれらの原因になる植物がなかったり、近づかないのであれば、お薬を調節してのんでも良い場合もあります。
Q.
薬を飲むと眠くなるので困ります。
A.
花粉症の薬の代表的な副作用が、のどの渇きと眠気です。最近では、これらの副作用があまりない薬も開発されています。眠気がある薬でも、夜に一回だけ内服する薬もありますし、午前中は眠くない薬と夜は多少眠気のある薬を使ったりして、できるだけ生活に支障の無いようにもできますのでご相談ください。
Q.
妊娠中や授乳中のときは、花粉症の薬は飲むことが出来ないのでしょうか?
A.
どのような薬も胎盤を経由して胎児に移行したり、母乳に出たりする可能性があります。その場合に薬を飲むかどうかの判断は、お薬をのんだ場合のお母さんのメリットと赤ちゃんに対するリスクをハカリにかけて判断することとなります。妊娠中、とりわけ3ヶ月頃までは可能であればアレルギーのお薬の服用を避けた方が良いでしょう。それ以降の場合は受診中の産婦人科の先生の許可を得たうえで、処方できる場合もあります。  内服薬が母乳にどれぐらい出るかは、薬によっても、服用してから授乳するまでの時間によっても、左右されます。ただ多くの場合は内服した薬の1%未満ともいわれており、普通は大きな影響は無いと考えられます。それでもやはり気になる場合は、マスクやメガネで完全防備し、花粉を身体に付けないようにしましょう。鼻づまりが強い場合などは、蒸しタオルを鼻に当てたりするだけでも通りが良くなることがありますので、試してみてください。
Q.
薬は最初は効いていたのに、だんだん効きにくくなってきて困るときがあります。
A.
花粉症は、花粉に対するアレルギー反応です。そのために刺激が加わるに従って、だんだん症状がひどくなっていく傾向にあります。発症してから年々、花粉症の季節になると症状がひどく出てくる方も多くおられますし、またスギ花粉症シーズンでもシーズン前半より後半になるにつれてひどくなることがしばしば見られます。症状を悪化させないためにも、できるだけ花粉を吸い込まないようにマスクなどで対策をすることをお勧めします。
Q.
注射1本で花粉症が治るって聞いたけど本当ですか?
A.
おそらくその注射はステロイド注射です。ステロイド注射は、花粉症をはじめアレルギー疾患には良く効きます。しかし、花粉症治療のガイドラインでは、ステロイド注射は「推奨しない治療」となっております。それは、使われるステロイドが体内に長く残ること、また使用するステロイドの副作用の点で勧められていないものです。当院でもステロイド注射はお勧めしておりません。患者さんの中には、ステロイドであることや副作用についての説明もされないままに、毎年のように耳鼻科以外の医院などでステロイド注射を受けておられる方もおられます。ステロイド注射は避けるべきですが、どうしてもステロイド注射での治療を受けたいというのであれば、花粉症治療のガイドラインでも勧められていない治療であること、使用するステロイドにどのような副作用があるのか、など十分な説明を受け、理解したうえで、納得してから受けるようにしましょう。
Q.
花粉症なのに、今年は緑色の鼻みずが出て、少しほっぺたも痛くなりました。
A.
花粉症をはじめアレルギー性鼻炎の鼻みずは、原則としてサラサラの水のような鼻みずです。色の濃い膿のような鼻みずは副鼻腔炎(ちくのう症)を起こしている可能性があります。鼻がつまったまま放って置いたり、カゼをひいたりすると起こることがあります。そのような場合には、レントゲン写真を撮影すれば副鼻腔炎かどうかがわかります。副鼻腔炎の場合は、しばらく継続して抗生物質を服用する必要があります。